第65回(2021年度) 北海道開発技術研究発表会 ICT・クラウドサービスを用いた道路維持管理 ~道路附属物のID統一から創める年維持技術者の働き方改革の志向~

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第65回(2021年度) 北海道開発技術研究発表会
 ICT・クラウドサービスを用いた道路維持管理
~道路附属物のID統一から創める年維持技術者の働き方改革の志向~

2022年2月16日13:00~14:25
札幌開発建設部 千歳道路事務所 工務課  〇堀越 弘美
畠山 賢一
株式会社 玉川組 工事課 維持係長 舟見 群章

 以下の資料は、技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意によりご提供いただいたものです。

20220331公開


▼PowerPoint PAGE-01

凡例 
★:クリックしてアニメーションを進める。 
◆:クリックして頁を進める。

▼PowerPoint PAGE-02

千歳道路事務所の堀越と申します。 これは、当事務所の管理路線をキロポストで表示しました。
みなさんも、定期巡回などの附属物管理にはその多さに大変苦労されていることと思います。
(3秒まつ) ◆

▼PowerPoint PAGE-03

これまで実施した働き方改革への取組◆

▼PowerPoint PAGE-04

年維持が担う作業は、一年を通じてとてつもない労力と苦労が伴うものです。
それを献身的に行っている姿には常々、頭が下がります。
こんな、苦労をどうにかできないものか、 3年にわたりCPDS講習会も含めみんなで模索してまいりました。
その結果として、
★作業員も含めた誰もが、
★身近に感じる日常のツールで、
★マニュアルなしに簡単で、
★自ら工夫して、
★結果的に楽しくなるもの を探求した結果、
★誰もが持つスマホとクラウド型GISサービスにたどり着きました。◆

▼PowerPoint PAGE-05

さて、実際にどのように使用しているかですが、 こちらがその一例の舗装欠損マイマップです。
常温合材で補修した舗装欠損箇所を、 舗装維持工事に連絡するのに使用しています。
このマップは、 補修作業前、スマホで位置情報付写真を撮影してもらい、 そのデータを所定のクラウドに保存してもらい、すると 最終的に、地図上に写真アイコンが表示されるという仕組みです。
このマップを作成してもらうことで、場所の特定だけでなく、 欠損状況写真も、わかりやすく共有できます。
過去の写真を簡単に閲覧することが可能なので、 舗装欠損状況の保存に有効となっております。◆

▼PowerPoint PAGE-06

定期巡回における業務の効率化◆

▼PowerPoint PAGE-07

この『スマホとクラウド』は、定期巡回でも活用してもらっています。
従来の定期巡回外業では、
〇前年度の点検結果のファイルを手に持ちながら点検
〇状況写真をデジタルカメラで撮影してもらっていました。 そして会社に戻り、
〇その写真を確認しながら
〇チェックシートを作成するという内業を行っていました。
現在は、 事前に前年の巡回データをクラウドに保存してもらい、 現地に持参したスマホでそのデータを確認しながら、点検・撮影してもらいます。
つまり、重たいファイルからスマホに変わったことで、身軽に巡回可能となりました。
また、撮影した写真をクラウドに保存し、クラウドの表計算ソフトを活用し、 チェックシートを自動作成してもらっています◆

▼PowerPoint PAGE-08

千歳道路事務所管内には、携帯電話不感地帯のエリアがあります。
この場合でも、クラウドを利用した点検を行ってもらっています。
この場合、事前にクラウドからデータを スマホにダウンロードするという準備作業と、 巡回終了後、オンラインエリアに戻ってから、写真データを一括保存するという作業が必要となりますが、 スマホ巡回、チェックシートの自動作成機能は使用可能となっています。◆

▼PowerPoint PAGE-09

さて、千歳道路事務所管内には、定期巡回対象施設が約7000基あります。
対象物の取り違い、作業し忘れを防ぐために、QRコードを施設に貼り付けてあります。
ミス防止のために、このQRコードを活用しています。 ◆

▼PowerPoint PAGE-10

以上のような効率化を図った結果、このような成果が得られました。
これはその一例です。
この路線は、クラウド活用初年度、外業、内業ともに、減少傾向を示しました。
2021年度の結果はまだですが、作業時間の減少傾向は見えています。◆

▼PowerPoint PAGE-11

統合DBの構築試行◆

▼PowerPoint PAGE-12

定期巡回で『クラウド』を活用しましたが、 今回の方法では、クラウド上に施設ごとのフォルダを作成する必要がありました。
千歳道路事務所にある既存のデータベースを利用し、約7000個のフォルダを自動作成してもらったのですが、 事務所で使っているIDと、年維持が使用しているIDが、統一されていなかったために フォルダ探しに、予想以上の労力がかかってしまいました。
特に、数の多い、矢羽根などの附属物が大変だったそうです◆

▼PowerPoint PAGE-13

そこで、附属物点検を行っていたコンサルタントに依頼し、データベースを提供していただきました。
このデータベースに、事務所で使っているIDと、年維持が使用しているIDを追加させる作業を実施していただきました。
これがそのデータベースです。
このように、それぞれのIDが記載されています。
また、すべての施設に緯度・経度を持たせています。
これにより、データベースの情報をグーグルアースで表示させることもできます。 ◆

▼PowerPoint PAGE-14

このデータベースは、クラウドに保存されています。
適宜、巡回結果や、撤去や設置日、補修内容などの作業結果を反映させています。
また、コンサル点検の計画、結果も反映させています。
これにより、今後、効率的な作業計画の立案や、年維持とコンサルタントの重複作業の減少などに役立てていきたいと思います。◆

▼PowerPoint PAGE-15

施設にQRコードを設置してもらっている話をしましたが、 事前のユーザー登録とパスワード入力するとことで、 その構造物の情報が保存されているクラウドにアクセスできます。
例えば橋梁ですと、定期巡回の結果だけでなく、 橋梁一般図などの図面、コンサルタントで実施した橋梁点検結果を閲覧できます。
これにより、紙資料を持参しなくても、スマホと現地に出向けば、 資料を見ながら確認作業が可能となっております。
現在は、一部の路線でしか準備できていませんが、今後拡大していきたいと思います。◆

▼PowerPoint PAGE-16

最後、まとめです。
・維持工事においてクラウド等のICTツールを活用すると労働時間短縮や作業コストの縮減につながり、生産性の向上が可能
・施設データベースのID統一を図り、各種DBを統合・運用することで更なる生産性向上が期待
・年維持技術者が生産性向上に関する様々な取り組みを自主的(能動的)に行えるような仕組みの検討を行うことで、より良い道路維持管理を実施していきたい
・年維持技術者が引き続きこのような取り組みを行える環境整備を継続的に実施していきたい
最後に、本稿執筆にあたり、HRS株式会社佐々木様には、データベース提供および統合作業を 株式会社玉川組舟見さまにはデータ収集とりまとめ等、多大なるご協力をいただきました。 心から、感謝申し上げます。
皆様、ごせいちょう、ありがとうございました。
本音は、職場のPCで、ドライブにアクセスしたい ◆END

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