3次元点群と道路設計CADのCIMへの活用

目次

CPDS講習プレゼン ID:20220609-725765-02

「3次元点群と道路設計CADのCIMへの活用」

講師:株式会社三英技研 代表取締役 山本 真(やまもと まこと) 

以下の資料は、技術研鑽に役立つことを願い、講師のご厚意によりご提供いただいたものです。


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まず初めに3次元で道路設計を行うSTRAXcubeと言うソフトウェアの紹介をさせて頂きます。
STRAXcubeはこの絵の様な3Dモデル作成を30年以上前に実現していました。
特に複数の線形に対しての設計を得意としております。
またこの絵のような高規格道路だけではなく、日本は土地の制約なども多いので、
規模の小さな道路設計でも付替え河川や坂路や側道、
交差点など複数の線形が必要な道路は多岐にわたると思います。◆

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<特徴>
開発当初より複数線形、3次元設計がコンセプト
林道から高規格道路まで対応
複数線形対応による平面・横断図作成
平面図の切盛土の精密計算
BIM/CIM対応 BIM/CIMとは言っても2D図面を作成した後に3Dモデルを作成すると言う手間が掛かってしまうBIM/CIMではなく、 設計時の検討などで技術者に役立つ3次元設計をSTRAXは目指しています。 ◆

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道路詳細設計システム BIM/CIMからは少し離れますが、横断設計を主な機能として行うシステムの紹介です。
この図の通り、本線ーランプー側道と複数の線形を重ねて作図でき、 主線形に対して他の線形はスキュー(斜書き)で作図しています。
細かな数量(水路の床掘、埋戻し数量、既設の舗装がある場合、新設舗装を既設舗装で切断可能等)にも対応しています。
路面だけをスキュー書きしているのではなく、側溝や法面、擁壁などあらゆる構造物もスキューで計算されていますので、 汎用CADに持って行って編集する事なく、全てSTRAXで図面作成から数量計算まで完結します。
このメリットは例えば線形や縦断などの変更があった場合も直ぐに修正が反映されるので設計ミスや手間を減らせます。 ◆

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この様に作成された横断データから、BIM/CIMでのJ-LandXML1.4に対応しています。
ただSTRAXではこの様な2D横断から3Dモデルを作成する事に対応していますが、
これは横断を3次元に並べてサーフェスを作成しただけの2.5Dモデルと言う認識でいます。
これでは設計者の立場から見ると3次元を設計に役立てると言う事には至っておらず、
技術者にとっては手間ばかり増えているのが課題だと感じております。
そこで解決方法としてSTRAXでは平面図の3次元化と言う事にこだわり、技術者の役に立つBIM/CIMを追及しています。◆

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Road Plannerでの路線選定(平面図作図)システム
3次元の現況サーフェスモデルに対して、 切盛り計算や橋梁、ボックス、トンネルなどの構造物の配置や 橋台周りの法面巻込み、擁壁設置を3次元でモデル化します。
特に切盛り計算は精密な3D計算を実現しており、 よくある計算手法と違い小段部分をコンターに平行に計算出来ています。
切盛り計算をソフトウェアで行った後に、汎用CADで上の絵の様に修正している技術者の方は多いのではないでしょうか。
今までは2次元で苦労して直していましたが、3次元になると諦めているのではないでしょうか。 ◆

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交差点の滞留長などの設定を行う事で、停止線や横断歩道、切盛り含めて自動で計算します。
もちろん後からユーザーが変更する事も出来ます。 ◆

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本線と側道の間の法面と擁壁を3次元で計算出来ます。 これも横断からの3D化する計算ではないので、擁壁端部まで3次元計算出来ます。◆

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橋梁、ボックス、トンネルなどの構造物は数値入力により形状が作成されるパラメトリック部品となっています。
ですので形状の修正、変更が非常に簡単に行えます。 ◆

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最近搭載された宅盤機能ですが、 もちろん本線と宅盤の法面の交差部分も精密に計算します。
橋台、橋脚の掘削にも対応しています。
道路の横断へ、宅盤の形状を投影させることができます。◆

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これら機能を使って検討段階から3次元で確認を行う事で、 宅盤や土捨て場などの造成地と管理道路などの道路との整合、矛盾点をチェックする事が出来ます。
2次元の図面だと確認しきれておらず、また確認するにも横断でしか確認出来ず、その横断も非常に手間が掛かってなかったでしょうか?
結果、図面としてミスしていたり、最悪誤魔化してしまったりと言う事も多かったのではないでしょうか。
STRAXの設計案の機能を利用することにより、当初設計、変更設計の土捨て場を同時に作成し、土量、外観形状等を比較することが可能です。
管理用道路の面を外せば、宅盤の法面が管理用通路を超えるので、擁壁が必要な箇所の把握が簡単に行えます。
これぞ、3次元設計です。 ◆

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NEXCOの設計で求めらる1/200の舗装詳細平面図で、国交省では求められず作成しないと言う技術者も多いですが、
今後BIM/CIMで3D路面モデルを作成する際に、そのモデルの正確性の根拠は何ですか?
と言われた時に 『1/200の舗装詳細平面図です』 と簡単に説明が出来ると思います。
横断から作成しましたとなった場合、その横断図は正しいのですか?ということと、
ノーズ位置において、ランプ線形が斜にきれていない場合、ものすごい違和感を感じ、余計な議論が始まるかと思います。
また各頂点に高さを持った点も出力できますので、
今後、維持管理基準点としての活用ができ、MMSなどで計測した点群との比較も行うことが出来ます。 ◆

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これは現在開発中の機能となります。
従来だとトンネルの坑口位置を決めるための検討システムが無かったかと思います。
あくまでもユーザーが測点を入力した結果を縦断図、横断図で見るだけかと思います。
STRAXでは縦断で土被りや背面切土の状況を縦断地形を見ながら決め、
その測点の横断で確認をし、問題があれば1m単位などで前後させて坑口測点を決定出来ます。
その後、抱き擁壁や面壁形状などを決めて平面図にて詳細計算を行う事で、
坑口の面壁をはじめとした、抱き擁壁や背面切土も含めた3Dモデル作成が出来ます。◆

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これらの機能をフルに活用する事によって
インターチェンジなどの複雑な3Dモデルを簡単に作成する事が出来ます。◆

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横断図を線形に沿って起こして、つなげていったモデルではなく、
正真正銘の複数線形、リアル3D、誤魔化しのない3Dモデルであることが、この絵から理解できるかと思います。 ◆

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STRAXで設計を行い、AutodeskのCivil3Dや3dsMaxとの連携で作成した統合モデルの例です。 ◆

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STRAXで設計を行い、AutodeskのCivil3Dや3dsMaxとの連携で作成した統合モデルの例です。◆

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運転手目線で見た例です。
STRAXではこの様な一見CGですが、その先の横断勾配など含めて正確にモデル化する事を得意としています。 ◆

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しかしCGの様なビジュアル的な活用だけではなく、
設計の検討段階から3Dモデルを活用する事で 例えば路面や法面、隣接地の集水面積を計算する事ができ、用排水設計や用排水計算にも非常に役に立つシステムとなります。
ただでさえ年々降雨量が増加しており、現在の設計降雨強度ではもたないことが自明になってきています。
何故、3次元なのか?3次元のモデルをどう活用するのか?の答えをSTRAXは常に提供します。 ◆

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STRAXで直近で目指している3Dモデルの例です。
本線、ランプ、側道間の法面と平盛、擁壁の3次元計算は先ほど見た通り出来て来ました。
交差点も出来ています。
構造物のモデルを取り込んだ後に交差点や法面の関係も含めて擁壁の計算を行う部分や、
防護柵の自動設置などあと少しでこう言ったモデルが簡単に設計出来るシステムが出来つつあります。
この様なモデルを横断から3次元化する事では現実不可能なのです。 その後は属性付加を行います。 ◆

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統合モデルの活用例で、地元説明で活用出来た、4D化により施工手順を確認出来たと言う事例は多くありますが、 STRAXとしてはそれだけではなく、 本当の意味での3Dモデルの設計での活用を考えています。
解析シミュレーションなどにより、 例えば  構造物や法面の安定計算の3D計算、高精度化や時間軸を含むシミュレーション記録的豪雨にも対応した排水計算の高精度化のための流体シミュレーション などの研究開発にも現在大学などと取組んでいます。 ◆

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線形設計システム
IP法、片押し法、要素法(エレメント固定法)と言う線形を検討する上で必要な機能は全て揃っており、非常に簡単に検討出来ます。
SIMAをはじめとしたXMLデータ出力や、線形交点やノーズ引出勾配など各種計算書出力機能も豊富に取り揃えています。
また最新バージョンではNose Composerと言う機能を搭載し、 インターチェンジのノーズ位置を画面クリックで指定するとランプ線形が入るか入らないかをビジュアル的に確認でき、 入らなかった場合も何故入らなかったかを簡単に確認する事が出来ます。
この様なランプ線形をインターなら4か所全てを同時にゼブラマークや旗上げ込みで確認する事が出来ます。
複数のノーズをID管理することにより、複数線形、リアル3Dであることを証明しています。
ノーズが決まれば引き出し勾配などランプの設定などは全て設定されるので簡単に計画出来ます。 ◆

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この様な線形の設計に必要な機能は全て取り揃えています。
近年ではこの線形技術を自動運転の乗り心地や燃費低減技術に活用する技術にも取り組んでいます。 ◆

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この様な線形設計システムを無料提供する事としました。
▼公開先
https://sanei.co.jp/
近年、若手技術者の育成が出来ていないと言う課題をよく耳にします。
線形と言うのは道路設計に関わる方々にとっては一番最初に必要な設計であり、 また追及すると一番難しい設計だとも思っています。
正しく根拠や考えを持って線形を決める事は非常に難しいです。
なので大学の土木科での授業への導入や、若手の技術者もライセンス数を気にせずに線形の勉強が出来るようしたいと思います。
また標準データであるXMLなどでは不足していた線形情報として縦横断勾配や片勾配すり付けだけではなく、 幅員すり付けや設計規格情報など、あらゆる線形の属性情報なども共有する事でデータ交換を非常に便利に出来ると思います。
フリーだからと既存ソフトから機能を減らす事もしていません。先ほどのNose Composerも付いています。
サポートも通常通り行っております。 使うためにはユーザー登録は必須となりますので、是非登録して利用してみてください。 ◆

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これは高密度レーザーを搭載したMMSの点群の例です。 ◆

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これは反射強度(計測物が白いものほど強く反射する)での表示をした例です。
少しゆっくり計測する事により、この様にかなり高密度に計測する事も可能です。 ◆

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点群から信号、標識、街灯、樹木、建物、道路など属性別に分類しています。
私共ではWingEarthと言うソフトをよく使っています。 ◆

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これは点群には無い情報ですが、 地下埋設物をモデル化した例です。 ◆

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この様な2次元の地下埋設図面、台帳から作成します。 紙図面の場合はトレースします。◆

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2DCADデータから3次元化するツールを三英技研ではAutoCADのツールを開発し、 STRAXの保守ユーザー向けに無料提供する事もよく行っています。
このツールは 下水などの管底高の縦断で高さがある物、 上水、ガス管など土被りで高さがある物とで高さの付け方を変えれるツールとしています。
その上で管の断面をスイープする基準位置を中心、管底、土被りと指定して3次元モデル化を行います。 ◆

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ボーリング柱状物もXMLデータの読み込みにより簡単にモデル化出来るようになっています。 ◆

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地質データについてはdwgなどのサーフェースやソリッドモデルを読み込む事で対応しています。 ◆

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この様なSTRAXが得意とする道路モデルだけではなく、 個別に建物などの3次元モデル作成を行う事もあります。 ◆

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最近ではMMS点群だけではなく、UAVレーザー点群も同時に扱う事が多くなっています。 ◆

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それらを合成してメッシュ化する事で、冒頭のSTRAXでの現況地形モデルとして活用出来ます。 ◆

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またメッシュであればオルソ画像もこの様に簡単に貼付けする事が出来ます。 ◆

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ただ点群からメッシュを作成する場合、点群と比較して大量のメッシュデータを扱えるソフトウェアがまだ無く、
如何に元の形状を変えずに頂点を間引いたメッシュが作成出来るかがキーになってきます。
既存のよくある手法だと単純に間引いてしまい、壁高欄の角が無くなってしまっています。
これを解決するのにブレークラインを入れる方法もありますが、そもそもブレークラインを入れるのも大変です。
そこで三英技研ではスキャンライン内で点群の法線変化率を見ながら間引く手法を開発しています。
間引き量によって変わりますが、1/10~1/100の間引きをしても轍などの形状は保ったままと言う事も可能です。 ◆

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この技術を応用して路面付近の点群の自動属性分類を行う研究も行っています。 ◆

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メッシュだけではなく、3Dポリライン図化を行い、 3D道路台帳を作成する事にも取り組んでいます。
よくあるGISを使っての属性付加ではなく、AutoCADのハイパーリンクなど標準機能でもこの様な事が出来ます。 ◆

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MMSデータから3Dポリラインを作成するREDcubeと言うソフトウェアの開発にも取り組んでいます。
この様に画像とレーザーを重畳させて、画像内で白線や標識をクリックする事で3次元図化を行います。
また画像から白線をAIで自動認識させることでの自動図化の開発にも取り組んでいます。
縁石などは先ほどの技術などを使いレーザー点群の変化から自動検出を行います。◆

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この様な3次元地図を作成する事により、3D道路台帳だけではなく、設計の現況地形図としたり、
近年では自動運転用の高精度3D地図として活用されています。 ◆

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また3D道路台帳などの3Dポリライン情報からSTRAXで道路線形や縦断、横断勾配、幅員の再現を行う事で、単なる点群からのメッシュ化したのではなく、曲率や勾配情報を持った現況道路の3Dモデル化が出来ます。◆

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線形情報を活用した例として 点群とはランダムに散らばった点情報の集まりですが、
線形の法線方向に沿ったメッシュ状に点群を整形(正規化)する事が出来ます。
XY平面のメッシュ化ではなく、線形に沿ったメッシュ化です。 ◆

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5mmメッシュなど細かなデータだとこの様にアスファルトの凹凸まで判別出来ます。◆

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この様なデータにする事で、自動車開発用シミュレーターで利用できるデータとなり、
自動車産業など他産業での道路データの活用が出来、近年よく使われています。 ◆

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MMS点群から作成した3D道路台帳の活用例として 三英技研では10年ほど前から除雪支援システムへの活用にも取り組んでいます。
最近安価になりつつある高精度GNSS受信機と3D地図を使って、
マンホールや縁石、橋梁ジョイントなど除雪の障害となる物にたいして警告を行います。
これによりベテランだけではなく新人オペレーターも安全に作業を行うことが可能となっています。 ◆

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除雪ガイダンスシステムを更に進化させたシステムとして、
数年前より北海道開発局にて開発中のロータリー除雪車の自動化(i-Snow) のガイダンス、制御システムの開発にも参加しています。
これらご紹介させて頂きました事例も全て3次元データを何に使うのかと言う事を
悩み続けた結果から産まれて来たのかと感じています。 ◆

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◆END

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