安定的な除雪従事者確保に向けたパネルディスカッション

CPDS講習プレゼン ID:20210129-623712-06

「安定的な除雪従事者確保に向けたパネルディスカッション」

日時:2021年1月29日(金)
会場:千歳道路事務所1階会議室

コーディネイター:
 北海道開発局 札幌開発建設部 千歳道路事務所 工務課 機電係長 中村 隆一(なかむら りゅういち)
パネラー(順不同):
 株式会社玉川組 建設部 維持課 係長 長濱谷 洋(ながはまや ひろし)
 玉田産業株式会社 土木部 課長 郷田 仁(ごうだ ひとし)
 株式会社茎津綜業 工事係長 寺田 和広(てらだ かずひろ)悪天候により欠席
 北海道ロードメンテナンス株式会社 工務部長 深尾 徳司(ふかお とくじ)
 北海道開発局 札幌開発建設部 千歳道路事務所 工務課 開発専門職 内山 勇二(うちやま ゆうじ)
アドバイザー:北海道開発局 札幌開発建設部 千歳道路事務所 工務課長 中山 光広(なかやま みつひろ) 悪天候により欠席

議事録20210203公開


千歳道路事務所工事安全連絡協議会 事務局 平川 雅彦(株式会社玉川組 建設理事): それでは、いままでの講習を踏まえ、「安定的な除雪従事者確保に向けたパネルディスカッション」を開始させていただきます。
まず、コーディネータをご紹介させていただきます。千歳道路事務所 工務課 機電係長 中村さまです。)
このあとの進行は、パネラーの皆さんのご紹介も含めコーディネータの中村様にお任せいたします。

【千歳道路事務所 中村】 :平川様ご紹介ありがとうございました。安定的な除雪従事者確保に向けたディスカッションとして、地域を支える担い手の未来を皆さんと考えたいと思います。進行にあたり、ご協力お願いします。 時間も限られていますので、私から一括して紹介させていただきます。
 パネラーとして、玉川組から担当技術者で機械担当の長濱谷様、玉田産業から現場代理人の郷田様、北海道ロードメンテナンスから深尾様、残念ながら緊急的な現場作業のため、茎津綜業から現場代理人の寺田様と発注者を代表して内山開発専門職は欠席となります。 コーディネータとつとめる千歳道路事務所機電係長の中村です。本日はよろしくお願い致します。
 最初に目的として、北海道の建設業就労者は、全国より約10年高齢化および減少が先行傾向にあるため、担い手の安定的な確保と確実な育成が喫緊の課題であります。そのため、安定的な除雪体制の確立には、除雪機械のワンマンオペレータ化や高度化等の推進とそれに対応する計画的な人材育成が必要であります。 各地域ならびに各企業において、現職者や担い手の状況が異なることから、このディスカッションが受発注者双方の課題共有、解決策取り組みのきっかけづくりの一助になれば幸いであります。
 参考までに、担い手不足は、生産年齢人口の予測から、より加速化する推計であることと、農業従事者など季節雇用の委託を含めないと交代要員を考慮した体制が成立しない場合があります。また、除雪従事者の独り立ちには一般的に5年程度要するとされていることから、10年先といってもできるだけ早い段階での行動が重要となります。
  Prologueとして、現状の紹介です。国土交通白書2020の資料では、我が国の人口推計は、グラフのように生産年齢人口が減少する傾向があります。次に北海道開発局の除雪事業では除雪機械技術講習の受講を要件としており有効期限を5年としています。直近5年の受講年齢を2021.3末に更新した年齢推計では、地域によって若干の波はあるものの約50%が51歳以上占める年齢構成となっております。そうした背景から10年後には今までと同じ体制を継続し続けることが困難であることが想定されます。
  次に各工区で全線同時出動した場合の最低雇用人数です。この条件から各企業の年齢分布と将来の年齢分布をシミュレーションしたものがこちらです。 北海道開発局ではi-Snowというi-Constructionの中の取り組みとして、産学官民が連携して取り組んでいる除雪現場の省力化に向けたプラットフォームを発足し、各技術の適用性について検証しています。また、寒地土木研究所やNEXCO東日本でもご覧のような技術開発が研究されております。参考までに、今冬の支笏工区では凍結防止剤散布車を対象にワンマン化の試行計画があることと、玉川組では除雪トラックのエッジ交換として創意工夫して効率化を検討している事例がありますので、ご紹介させていただきます。
 一方、北海道では人材確保の支援として期間限定ではありますが、ジョブチャレ北海道という新型コロナによる離職者支援や人手不足が深刻な業種を対象に支援される制度がありますので、多面的な観点で意見交換できればと思っております。 インフラを守るために、担い手の安定的な雇用を確保し続ける必要がある点と確実な継承をする育成のあり方という問題点に対して、ご発言していただきたいと思っていますので、ご協力をよろしくお願いします。
  課題意識を共有するため、本日は2題用意していますので、パネラーを中心に聴講の方もご発言いただければ嬉しいです。
 それでは、最初に除雪の未来について、玉川組の長濱谷さんからコメントいただけないでしょうか。

【玉川組 長濱谷】 ワンオペ化の操作に関することより、それ以外のことでメンテナンスに関するオペレータの負担軽減で、例えばエッジ交換のサイクル軽減のためロングエッジの使用を認めてもらうとか。あとは先ほど出たエッジ交換用ジャッキの創意工夫など、良い道具やアイデアなどがあれば情報共有。あと電気系統は一人では点検できないので、どこかにミラーの設置。あと雪落とし作業も一苦労なので雪が滑るような塗料など処置してもらいたいです。

【千歳道路事務所 中村】 メンテナンスというキーワードでご発言していただきました。基本性能や改良は行政が取り組むことかと思いますが、日常点検における創意工夫などは企業で取り組むなど役割分担をもって、課題に対するメンテナンスの効率化を目指すという主旨でよろしいでしょうか。 続いて、深尾さんコメントいただけますでしょうか。

【北海道ロードメンテナンス 深尾】 ワンオペ化に向かって進むのは良いと思います。土木の現場とかでは既に進んでいることですけど、除雪もこれからは熟練工というのは必要がなくなると思うんですよ。その機械化などが進んで品質が下がってしまった時、それをどう補うかっていうのが問題点ですね。ハード的な技術はどんどん進んでいってしまうので、最終的にはワンオペになると思います。実現できると思います。

【千歳道路事務所 中村】 品質が下がるというお話もありましたが、技術が進歩すれば「誰でも化」というような一定品質の効率化も追々できるようになるのかなっていうのが、ICT機械でもコントロール技術とかがそれに近いかなというイメージがあって、そこに期待したいと個人的には思っています。

【北海道ロードメンテナンス 深尾】 昔と違って車もタイヤの性能も良くなっているから、担当路線の整正作業では攻めすぎずにそこそこの整正で良いと指示しているんですよ。逆に雪のないツルツル路面よりもちょっと雪がある路面の方が、路面とタイヤのグリップ力が高くて滑りにくいという考え方になっていてそっちの方が走りやすいんですよ。昔みたいにきれいにする必要もないし、役所さんが地域住民にいかにコミュニケーションをとってもらうかでだいぶ変わってくるかと思います。

【千歳道路事務所 中村】 路線特性や気象条件によって、精度を使い分けるという考えと路面管理の周知方法の工夫という点わかりました。 続いて、郷田さんからお願いします。

【玉田産業 郷田】 技術開発が進めば車をただ運転するだけで自動に装置が動く、となると運転手が本当に運転するだけで済むと。散布車がそれに近いような感じで、運転手は本当に運転だけして、助手がボタンを押して散布する。助手がほとんど作業するので、運転手はただ路面確認しながら運転するっていう形なので、さっき支笏工区でもワンオペ試行の散布車があったと思うんですけど、あれも運転手の手元にボタンがあれば一人での散布作業もできなくはない。ただ散布材料を積み込む際の労働が一人で行うとなると大変なので、そこの部分はすべて除雪機械に反映されれば、要するに運転するだけで装置が自動で感知して動いてくれるとなると運転手はかなり楽になるかなと思います。

▼fig-001 コーディネイター中村氏とパネラー玉田産業郷田氏

【千歳道路事務所 中村】 機械の操作に限らず、積み込み作業など物理的な内容には配置人員の運用方法や課題が残ると思います。事故が起きないよう安全が優先されます。 せっかくの機会ですので、聴講にご参加されている方で、除雪従事者の我々では気づかないなにかこういうことが出来るのではとの、ご提案・ご発言いただけないでしょうか。 砂子組さんはi-Constructionで先駆的な取り組みをされている企業なので、そういう視点からもコメントいただけないでしょうか。

【砂子組 加來さま】 そうですね。除雪部門にあんまり関わったことがないのであんまりイメージがわかないんですが、ワンオペ化っていうのは一人のオペで運転作業をするということなんですよね。今二人乗りで運転していると思うんですが、その違いとは。

【千歳道路事務所 中村】 二人乗りの助手の役割は安全確認が主となりますが、機械の規格や装置の配置によって運転手は運転に特化して助手が装置操作をして補助するという機械もあります。ワンオペ化は装置の自動化や支援化技術は現段階では技術的、予算的な課題があるため、安全確認の補助化など具体にはカメラの増設などで補うことができ、作業条件が整えば、必ずしも2名乗車でなくても良いのではないかということです。ただ一人にしないとだめというものでもないので、雇用確保などの負担を減らすその落とし所を意見交換できればと思います。

【砂子組 加來さま】 今聞いた話で除雪従事者の背景やワンオペ化の推進は大変だと思いますが、通信技術やGPSを使ったり、マシンコントロールもあったりすると思うので、そのへんの対応をしていければいいのかなとは思います。また、そのへんをもっとアピールしてリクルート活動につなげるとか、少雪になってきているとはいえ、重要であることだとは思いますので、どうアピールしていくのか難しいですけどね。

【千歳道路事務所 中村】 ありがとうございます。今の既存技術の転用とかで今後なにかきっかけがつかめればいいなと思うのですが、そういう何かがあれば維持業者に限らず安全協議会の中でもそういう意見交換ができればいいなと個人的に思っています。 それでは時間の制約もありますので、2つ目のテーマで、次は人材育成を考えましょうということです。今段階2020年冬期をフェーズ1、仮に最終目標をフェーズ4でワンオペ化と設定した場合、準備、試行にあたるフェーズ2、3を落とし込んで機械に対する対策と育成への対策はどの段階で何をやっていけば10年後に備えることができるのかを考えていきたいと思います。これもこれじゃなきゃだめだっていうものはなくて、各企業の今段階の状況によって課題へのロードマップは変わってくると思うのでそういう共通的問題に対して意識の共有を持っていただければいいのかなと思っています。 玉川組の上田さん、なにか思うところがあればお願いします。

【玉川組 上田】 維持除雪工事に携わっている担い手がどんどん少なくなっていると思うんですよね。郷田さんがおっしゃった大型免許取得に対する会社の保証とか、そういうふうにするべきかなと思うし、そうでもしないと自分でお金払えっていうと若い世代の子は業種を嫌うし、自分でお金払って成長するという考えでいられると大変です。そもそも会社が保証をきちんとして、その分稼いで、将来的に稼いで返してもらうよって、もちろんそんなことは言わないけど、そういう気持ちになってもらったらどんどん担い手が増えていくのかなって思いますけど、そもそもこの業界の担い手が少ないっていうのが大前提の業界なので、まずは人材確保には免許、除雪に特化した経験など課題があります。

【千歳道路事務所 中村】 制度的な問題の改善ということですね。昔、上司に言われたことがあるのが、将来的に責任を負って仕事をしていく30代40代の世代が今の現状にどうやって取り組むかで将来の働き方が変わるっていうようなことを言われたことがあります。なので、実務担当している私達からも提案できることもあるのかなと、それがうまく官と民が解決策へのマッチングができれば良い方向に進めるのかと思っています。そういったところでも官民問わず一緒に生き抜くすべを考えられたらなと思っております。またパネラーに戻しまして、郷田さんからお願いします。

【玉田産業 郷田】 人材育成のあり方というか積算の方法で、除雪グレーダとか除雪ドーザの運転手は特殊運転手で計上していますが、除雪トラックは一般運転手となり、労務賃金に差があります。でも作業的には機械の操作をしているので特殊運転手じゃないのかなっていうのもありますが、それによっては賃金の底上げも図かれるんじゃないのかなって、給料が上がればちょっとやってみたいなっていう人材も現れるのかなって思いますね。

【千歳道路事務所 中村】 労務対価について、貴重な意見ありがとうございます。 深尾さん、よろしくお願いします。

【北海道ロードメンテナンス 深尾】 皆さんに聞きたい部分もかなりあって、人材育成どうされてますかっていうのが1つあって、工事の担い手はオペレーターだけではなく、専門技術者、鉄筋工、型枠工など多岐に影響していることと思うんですけど、オペレーター単体でいうとまず大型免許取るのに40万近くいるんですよ。それから車両系資格をとっていったらほぼ50万、大特60万、60万のお金を背負わせなきゃいけないんですよ。それってかなり厳しいと思うんですよ。だから今その国の制度で、夢物語の話ですけど建設業の担い手を育てるための工事の全体の中に入れた経費率のアップっていうのはならないですかねっていう。 他の会社さんどうされてるのか、ちょっと本当に聞きたいんですよ。 砂子さんところは若い人多いじゃないですか。どうしたら集めてくるのかなと。 資格もないわけで資格をとっていかないといけないひとが会社の制度としてこういう制度してますよとか、うちらはちんぷんかんぷんなもんで。

【砂子組 加來さま】 結構大概的なアピールをしているところがありますが、いろんなところに講師で行ったりとか、ICTに強いところがあるので、学校に教えに行ったりとか、そういうところで若い子に接する機会を増やしてうち入ってくれないかいっていうことで対応しているところはあると思うんですよね。そういったことやって、若い子多いんですがうちも若い子維持していくのがなかなか難しいなっていうのは思っているところなので。

【北海道ロードメンテナンス 深尾】 土木施工管理技士とかでも試験代で2万円かかるし、じゃ2万円うちら出さなきゃならんのってそういうこと、ほとんどそう思うんですけど、それは会社が負担するとなると企業としてもやっぱりそういうのは苦しいじゃないですか、だから経費でぽこって入れてもらえると企業も頑張ると思うんですけど。 さきほどの助成金の話ですけど、助成金も使える企業と使えない企業とかあるから、結構下請けさんの方は助成金を使って免許のお金を半分にしてとかそういうの出てくるんですけど、うちではそういうのは無理とかあるみたいなとかあるんですけど。

【千歳道路事務所 中村】 国だったり自治体だったりがそういうところに踏み込んでいければいいんでしょうけど。 長濱谷さん、お願いします。

【玉川組 長濱谷】 私のほうからは育成方法と機械に対して、オペレータの育成には一人前になるには約5年かかるって言ってましたけど、例えば私が違う工区に行って除雪してくれってなったときに路線の特性、危ない箇所とか全然わからないんですよ。それがわかるように機械に例えば夏場の映像と現地GPSと連動して、映像が見える、ここにきたらこれが注意とか雪の捨てる場所とか、そういうシステムがあれば少しは助かるのかなって思います。

【千歳道路事務所 中村】 今言われた技術としてはすでにあって、ではそれをどうやって安く普及させるかが課題です。ICT技術で取得した3Dデータの活用の仕方がコアになってくるかなとは思いますが、普及させるための費用ですとか技術開発の予算確保っていうところが1つの課題になります。 深尾さんからもお話があったので聴講の方から例えば人材確保とか社内でのOJTの創意工夫もあれば今日発表された方以外でどなたかご発言いただけないでしょうか。五十嵐さんどうでしょうか。求人の仕方とか、人材育成の仕方とか創意工夫されてる点はありますか。

【道央環境 五十嵐さま】 求人は出してます。中途採用が多いのでうちの会社では若手が多いとはいえません。

【千歳道路事務所 中村】 企業にとって欠けている世代に絞ってということではなく、即戦力になりえる求人という感じでしょうか。今日は時間の都合上これで閉めたいと思いますが、どの企業さんも問題としては同じものを抱えているのかなと思うので、官民問わず同じ問題があって、その問題に対してどういう課題、解決策っていう、ロードマップなど皆さんと一緒に考えていければいいなと思っております。将来を考えるきっかけ作りにこういうセッションを設けさせていただきました。だからこうしましょうっていうのは特にありませんが、考えるきっかけになれば幸いと思いこの場を終了させていただきたいと思います。
ご参加していただき、どうもありがとうございました。


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